若い頃の趣味は登山、山岳会の代表に就任した時期もありました。
雨で山行が中止になったときなどは、事務所に集まり会報などのガリ
切りをしながら、ヒマラヤへいきたい!マッターホーンに登りたい!
などなど、小説や写真でしか知らない海外の山々に憧れ、仲間たちと
儚い夢を抱いてました。
 やがて、高度成長と共に海外旅行もかなり自由化された頃、労山の
第一回アルプス登山計画に参加しました。
 モンブランの頂上に立った時『あの辺りがドフィネ』とガイドが指
した彼方に折り重なる嶺々は、ぼやけてよく見えませんでしたが、
シャモニーの遥か南に屹立するドフィネ山群と、その中央に聳える
ラ・メージュとバール・ゼクランは、多くの登山家が憧れる名峰と聞
きます。
 とくに、エクランとは、宝石、光り輝く、などの意味を持つ形容詞
と翻訳されています。
 何時の日か、BARRE DES ECRINS〔宝石箱の閂〕と愛称される
この秀峰を店名にと決めました。


                                         
アルプス登攀記より模写